「もしかして……お仕事ですか?」


恐る恐る尋ねるオレに、白衣の天使様は親指を突き出し「YES」と答えた。


その突き出した手はなんですかー?
お仕事ですかー?



ハメられた?
オレ、めっちゃハメられた?



「ちなみに、1か月前からの仕込みでーす。ほら、8月入ってから補習の量、すごかったでしょ? キミを百瀬のトップクラスに入れなくちゃならなくて、そのための愛の補習だったんだよ。ミカちゃんは問題ないんだけど、キミの1学期の成績だとさ、下位クラスになっちゃって。それだとクラス別々で、いざってときにとっても困るから」



8月の補習。
考えたくねー。



みんなが楽しそうに学校のプールで爽やかに泳いでいる頃。
オレは暑くて、じっとりべとべとのお部屋でミカ様とガブ様に徹底的に仕込まれていた。

なんで他の補習の先生じゃなかったのか?


すべての教科がハンパなく出来るお二人。


ということだったらしいけど。



その補習の裏にこういう事情があったのね。