「どうだか?」


「まだ信じてないのかよ?」


「信じてません。もしかしたら、いつものメンバーとかグラドルなんかと、あたしが落ちるかって賭けでもしてるんじゃないの?」


一番考えられる嫌がらせのパターンだし。


「…分かった。」


うつむいちゃって。


やっと諦めたか?


バッキン!!!!!


廊下に響き渡った音。


「な…何してるの?」


ビックリしすぎて、瞬きも止まった。


「これでいいだろ?」


そう言って、あたしの手の中に、2つに折られた七瀬の携帯を握らせた。


「携帯使えないじゃん。」


「これで、みんなとも連絡取れないし。SDも入ってるから伊吹にあげるよ。」


「そんなことしたら、仕事だって困るでしょ?」


ここまでするなんて考えてなかったし。


「新しい携帯買うからいいよ。」


「新しいのって…今日、どうするの?」


莉南さんとも連絡取れないだろうし。


「そうか…。どうするかな?」


「考えてなかったの?」


グッと七瀬の腕を掴むと、足早にエレベーターに向かった。