「なに?写真の件て?」


顔がまともに見られない。


「約束には早いけど。」


そう言って、あの写真の画面を見せた。


「何がしたいの?」


どうしても顔が見られなくて、携帯の画面を見てるフリ。


「正々堂々と奪いたいから。」


そう言って、写真を消去した。


「なに?急に?」


ビックリして、パッと顔を上げた。


「オレはもう、繋ぎ止めるものはない。不利なくらいだけどな。それでも、伊吹の気持ちは繋ぎ止められる自信はあるからさ。」


頭をクシャリとなでて笑った。


「それで?」


冷たい言葉が、あたしの答え。


「それでって…。」


戸惑ってる。


「どうせ、SDカードにでも保管してるんでしょ?」


「んなわけねーだろ?」


怒ったってことは図星?!