「なんで、仕返しになるわけ?」


やっと理解できたのに、怒る事ないじゃん。


「写真を使って脅してでも一緒に居たいくらい、伊吹が好きだって言ってんの!!いい加減気づけよ。」


「うそだぁ~。」


笑って聞き流しちゃう。


だって、どう考えたって恋愛感情になるはずなんかないのに。


「冗談だと思ってるんだったら、オレ、全力で黒崎から奪うから。」


怖かった。


こんなにも真剣に真っ直ぐに見つめる目。


ハッキリとした口調。


嘘なんかじゃないって分かるくらいに。


ポロポロと、自分でもコントロール不能に涙が出てくる。


怖いとかじゃなくて、温かいほわほわした気持ちが胸いっぱいに広がって。


広がったほわほわが、溢れて涙として出てきてる。


「ごめん。」


それだけ言うと、急いで七瀬の部屋から出て行った。