精一杯歌った




皆の前で最初で最後のありがとうを




最後は泣きながら歌ってしまった




それでも会場の皆は楽しそうに嬉しそうに聞いてくれた



そして




『待ってるからいつかまた帰ってきてね』



始めてわかったいや今まで気づかないフリをしていただけだったんだ




俺が本当にしたいことは…







『愛斗…泣きすぎだよ』




真琴先輩に抱き締められた




『うるさい真琴先輩だって泣いてるんだろ』




『愛斗忘れるなよ…お前は最高にカッコいい男だってこと』




『ありがとう先輩』



俺と真琴先輩は抱き合って泣いてしまった



きっと先輩はバンドを辞める事を悔しいんだ



だって誰よりもバンドを思っていたから



始めて気付いた先輩の想い




もう迷う訳にはいかない…



先輩ありがとう



俺はやっと気づいたよ



だからもう迷わない



だからもう少しだけ待っていて下さい