『…わがままいってもいい?』



葵は遠慮気味に聞く


『あぁいいよ…本当の気持ちが知りたいから』




『あのね…本当は行きたい…向こうで何処まで出来るやってみたい…でも愛斗と離れたくない…出来れば一緒に行きたいでも…』



葵はそこまで言って俺を見た



悲しそうに見つめる瞳



『でも…続きは?』

そう聞き返した



『でも愛斗の歌ってる姿も好き…愛斗の夢は潰したくない』


葵の気持ちは痛いくらい伝わった


だから葵の為に俺は葵の隣に居る道を選ぶよ



一番大切なのは葵だから




『ありがとう…俺はお前に着いてくよ…バンドは辞める明日真琴先輩に話してくるよ…』


そう伝えた


『愛斗…いいの?後悔しないの?』



俺の言葉に戸惑う葵


『あぁいいよ…後悔しない…葵と離れた方が後悔するから…赤磐さんにも言われたし…何が何でも葵は連れていくってね例え俺が行かない理由で葵が行かないと言うなら何をしても葵を連れていくって…赤磐さんに葵取られるくらいなら一緒に行くよ』



そう嘘を着いた



これが初めて葵に着いた嘘だった