そんな歩に俺はかける言葉が見つからなかった



『そっかぁ…』



『なぁ愛ちゃん俺大学行く意味無くなったわ』



そう歩は去年の夏過ぎに言っていた



すみれが大学行くから俺もとりあえず大学行こうと思うって



『なぁやっぱり自分で決めた道じゃなきゃ失った時に進むべき道さえも失うよな』


歩は苦しそうに言った


だから俺はそんな歩に聞いたんだ



『じゃあどうするんだよ歩は?』



でもやっぱり歩は強くて笑いながら答えた



『今は分からない少しゆっくり考えるよ…愛ちゃんもちゃんと考えて自分で選びなよじゃないと後悔するよ…悩んでんだろ…進路』




歩にはバレバレだった




本当に悩んでる




何をするべきか



いや何がしたいのか?




でも答えは出なくて



母さんもそんな俺に気づいているのか



最近よく言われる



『愛斗がしたいことをしなさい…どんな道を選んでも母さんは応援してあげるから…ただ後悔だけはしないようにね…

まぁしっかり悩みな』




結局答えは出ないまま時間は残酷にも過ぎていく