『一度も?高校進学の時とかどうしたんだよ』


俺はそう聞いていた


『高校進学の時は親父が先生に話しつけてた…それがムカついてさ親父に会いたくて春休み家に帰ってたんだよ…でも帰って来なかった一度も』


暗くて見えなかったけど睦月は悔しそうな顔をしているように見えたんだ



『まぁもういいんだけどな…俺は俺の力で早く自立するよだからそれまではよろしくな』


なんて言うから思わず睦月を抱き締めた


『愛ちゃん…気持ちは嬉しいけど…俺男には興味ない』


なんて笑うし


『バ~カ』


って笑い合った




睦月は睦月なりに苦しんでたんだ



初めて睦月の家の事を知った



睦月の苦しみや思いを…



『なぁ睦月…あまり一人で抱え込むなよ』


俺が言った言葉に睦月は


『頼りないけどな愛ちゃんは』


なんてふざけるし…


『まぁ確かにな…俺がいつも助けられてるし…』


『確かに…でもさなら一つお願いしていい?』



なんて睦月は俺に言う