もう薄暗い倉庫内。
そこで純平が床に空いている穴を見つけた。凛々がライトを穴に向ける。
「すごい!純平がいるとこの床って他の床と違うかも!?」
凛々が言った。
「あ、ここだけ板やっ!」
純平のいる奥の床だけ、なぜか木板だ。
「ちょっとお前出てきてみ!」
俺は純平を床板から離れさせた。
「隼人、拾ったのこれやで!」
渡されたのは、1枚の古ぼけたコインだった。
500円玉ぐらいの大きさで、表面に描かれているのは英語ととシンプルな柄。
亜希と凛々もコインを見る
「オモチャかな?」
「ゲーセンのコインにしちゃあ大き過ぎるもんな!」
「英語みたいの書いてあるからイギリスとかの貨幣かな?凛々。」
イギリスに住んでいた凛々なら、わかるかと思い聞いてみた。
「そんな変なコインはないわよ。」
「なんだ。」
どう見てもその辺で売ってる~記念メダルだろうと思って、俺はコインをポケットに入れた。
……この時、おれはまだ知るよしもなかった。
コインが持つ大きな"秘密"を…。