異変が起きたのは
更に3日足された、10月の終わりだった。
「なぁ、颯。お腹空かね?」
夕焼けに色づいた放課後。
特に用事もなく
バイトもしていない俺と樹は、暇潰しに街へ繰り出した。
って言っても、別に行く宛がある訳でもなく。
「そうだな、何か食うか。」
樹の提案に、俺は二つ返事で頷いた。
二人でお決まりのファーストフード店へ進路変更。
その途中、俺はある事に気が付いた。
「お願いしまーす。」
そう言われ、街頭で声を張り上げるお姉さんから受け取ったティッシュ。
それと、キャンディーが付いていた。
とりあえず受け取ったはいいものの
「つーか、何でアメ?」
いつもはそんなオマケなんてないのに、と首を傾げる。
そんな俺に
樹は「ああ、多分あれだろ。」と言いながら、あるお店を指した。
誘われるように視線を向ければ、ありとあらゆる所でオレンジ色が目に付く。
そして、樹は言った。
「ハロウィンだよ。」