同伴以外の初デート。
修二は時間前にマンションに到着し、月子を待った。
月子が出て来た。
夏真っ盛りの事……相変わらず長袖…白のパンツスーツだった。
修二は疑問に思いながらも、その事に関しては聞いた事がなかった。
ドレス着ない訳は…私、軽いアトピーだから肌見せるのって抵抗あるの…と月子が言った。
それ以上に修二は触れなかった。
何故か? 触れると同じ質問が返ってきそうで怖い。
手首まで入れた墨…未だ、まだばれてはいない。
カトレアで飲んでいる時も、周りに対しいつも緊張の糸を張り巡らしてきた。
修二も偶然に、白のスーツだった。
二人とも…脱げない着ぐるみを…何にも染まる色で 隠して……。
嘘つきの肌は、純白に包まれていた。
修二が車を走らせる。
「何だか照れ臭いよな」
「うん、私も……修二さんのリクエスト、頑張って腕を振るったよ」
「ありがとさん」
修二がニコッと笑う。
月子は修二の横顔を見た。
ゆったりとにこやかな横顔…ハンドル持つ手も柔らかで、それが運転にまで伝わり、月子の胸中をかき回す。
この人は知らない、最後の弁当だってこと……。