エレベーターの出会いから数ヶ月…恋に落ちた二人に行く先はなかった。
この恋に未来予想図はなかった。
修二は、谷底から独り自力で這い上がった。
月子を残して……。
谷底に残った月子…修二の去った上を見上げるしか術がない。
修二をもう一度…引き戻す力を奪っているのは………カリキュラム中の皮膚病。
ここの所、皮膚の状態は悪かった。
薬が一向に効かない、早く治したい、焦る気持ちから、効かない薬の量が増える、そして、副作用があちこちに出る。
湿疹が、尚更増えてきた。
仕事中、隠す為にメイクで塗りつぶす。
その為、肌は余計に抵抗する。
悪循環だった。
孤独湖の哀しみを、唯一忘れさせてくれていた修二の存在…さえも……今、なくなった。