次の日、カトレア店内での待機中、月子と絵理子が話している。
「そうなの、連絡取れないんだ…会社は?電話かけてみた?」
「かけたけど、外出してますって…電話してくれるように伝言お願いしたんだけど…」
「そう…ママが請求しに行くって言ってたけど…このままだと、美咲、本当に訴えるかもね…」
「……明日、会社に訪ねてみようかな…」
その時
「いらっしゃいませ」
ドアが開き客が入って来た。
修二だ!
ボーイが止めるのも無視して、ツカツカ歩いて来る。
「ママ呼んでくれ!」
修二は、事務所に通された。
ルミ子は目を大きく開いている。
修二は、机に厚めの封筒を置いた。
「ご迷惑かけ、申し訳ありませんでした。5百万入れてあります。昨日の会計に、それと、あのスベタ女に慰謝料として、その中から、そちらの配慮でどうかお願い出来ないでしょうか。月子には何の関係もない事なので、そこの所だけは、どうかよろしく頼みます。この店に、もう二度と足を踏み入れる事はありません」
修二は頭を下げた。