今日は念入りにメイクした。
顔は勿論だが…服では隠せない発疹を、いつもより丁寧に巧みに隠さねば……。
ストッキングの中の脛の部分や、首や手首…何度も重ねて重ねてファンデーションを塗っていく。
待ち合わせの寿司屋の照明は、きっと明るいだろう。
カトレアの薄暗い照明とは違う。
今までからして、同伴の時は肌に神経使ったが、今日は尚更特別。
ビジネス以外に、付加が付いてしまった、心と言う名の……。
この付加が日に日に大きく成長し、ビジネスを上回った。
でも…それを、月子は認める訳にはいかない。
月子には…出ているんだ、恋愛禁止命令が……。
人前で裸になれない女。
恋と縁切りした女、月子。
何処まで続くか擬似恋愛。
そぅ、修二に口説かれるぎりぎりまで、引っ張る。
それまで、この擬似の中でもいいから、私を酔わせて……。
月子は己に言い聞かす、私をクラブカトレアの女優………月子……。