恋に冒された心は…精神が良いようにも悪いようにも、麻痺する。
今は、良いように麻痺している時期かして……月子は、自分が病気である事、忘れている事がよくあった。
他の女性と同じように…健康体と錯覚し、修二の事を想う。
錯覚から冷め、現実に帰った時に受けるショックは大きい。
月子は眠りに入る前、いつも願った、祈った。
明日、昇る太陽の熱で、このヒョウの着ぐるみ…焼けてくれたら…。
そして…私は生まれ変わっているの…昔の肌に……。
修二と知り合い、尚更その気持ちが強くなった。
焦っていた。月子はどうしようもなく焦っていた。
焦ったって無駄だよ。何回言わせんのさ、組み込まれたカリキュラムって言ってるじゃん!
この課題に取り組んでいくことが、あんたの生まれてきた意味なんだから……。