乗り換え?哀しい言葉だった。
世間から見ればその通り、修二さんと私は、運命の出会いをして、障害が次々と起こり、結ばれるに結ばれない……悩み苦しんできたなんて、誰も知るまい。
乗り換え……そぅ、私は乗り換えを希望しました。
「あんたのした事は、手を汚さない犯罪なんだよ。男を良いように操り、周りの犠牲になった者に、刑に代わる罪ほろぼしはして貰いたいね」
罪ほろぼし……お父さん、ごめんなさい。
謝っても、もう届かないよね。
最後に優しかったお父さん……私を引き止めようとした、最善のあなたのやり方だったのね。
本当は、修二さんの事も全て調べ、嫉妬に狂ってた筈なのに、それを隠し……何も知らないと思ってた私が、何も知らなかった。
どうして罪を償いましょ?
修二さんと私が結ばれる……それがお父さんにとっては、一番してほしくない事、一番嫌がる事よね。
それなら…それで償えるなら、私は…修二さんを諦めます。
何の障害も無くなったらこの時に…私は修二さんを諦める。
お父さん…それで、月子を許してくれる?
修二さん、さよなら………。