新宿南緊急病院の前に、月子を乗せたタクシーが停まった。

パトカーが数台、マスコミ関係者がワイワイガヤガヤと騒がしい。

タクシーから降りた月子は、病院内へと入って行った。

集中治療室の前に、警察関係者が何人もいた。

恐る恐る近づいていく月子。

「この中に、仲田修二がいるんですか？」

「おたく、知り合い？」

「えぇ…」

「今、治療中だ」

「重体？危ないんですか？」

「まだ分からない。それより、知り合いなら、色々とお尋ねしたい事あるから、後で中央署の方まで来て頂きたい」

「何が！修二さんに何があったんですか？」

月子は、刑事らしきその男にすがり付いた。

「まだ詳しい事は分からんよ。分かってんのは、仲田修二は刃物で刺された。刺した男は、また違う男に撃たれた、どうも、組関係の問題だと思うが…仲田を狙った弾が、偶然、刺した男の背中に命中したらしい。仲田の身代わりに、刺した男が撃たれ、二人とも倒れたって事だ。まだそれしか分かってない」

修二さん……敵の組に狙われてるって言ってたけど…そんなに…あちこちから…ピストルや刃物…たくさんの人があなたを狙っていたの？