お父さん…そんなに優しくしないでよ。

私…心苦しくなるじゃない。

あなたには本当に良くして貰ったわ。

私の物欲、次から次へと満たしてくれた。

でもね、この心を満たす相手は…あなたではなかったの。

ごめんなさい、これが最後の晩餐。

お茶漬け食べ終えた月子は、バスルームへ。

シナリオ通りに事は運んでいる。

何の疑いもされてないし、明日の行動も予測なんてされてない。

今日…もし…求められたら?

求められたらどうするの、月子?

昨日みたいに拒否?

は出来ない…だって、安心感与えなければ……。

応えよう…やむを得ずそれしか道はない。

怪しまれない、読まれない為の手段…。

目を閉じて、出来るだけ息を控え、そして修二さんを思い出そう。

今日が最後の辛抱、我慢……明日、この魂は修二さんのもとに行くのだから……。

月子はバスルームから出てきた。

原田はベッドの中。

月子は覚悟していた。

せめてものお返し、あなたにあげましょう、西瓜抱いたバーコードを、白馬に乗った王子様に見立てるわ……私を好きにして下さい、だってこれが…最後だもん。