修二さん、助けて……、修二には、何の事だかわからなかった。
が……しっかり優しい手で、体で、月子を包み込んだ。
もう、言葉は無用…明日もいらない、何もいらない。
アウトロー王子が…あらゆる手段使っても、お姫様をお助け致しましょう、もう、あなた様は、何も心配する事はないのです。
思えば……二人が初めて出会った場所も、この四角い箱だった。
抱き合った二人…この瞬間は…二人にとって人生の全て…。
ビルの1階には、修二の舎弟が3人立っていた。
2人は、急きょその場で帰らされ、1人は運転手として残った。
後部座席に乗り込む、修二と月子。
運転手は、修二の部屋まで車を走らせた。