ムーンライトから修二が出て来た。
月子も見送る為、その後ろに続いてる。
エレベーターを待つ二人。
その時、ムーンライトから誰か出て来たと思えば、あのズングリムックリも!
少し離れた場所から、二人の様子を窺っている。
月子は原田と目が合った。
一瞬にして冷や汗が湧いた。
正しく…閻魔大王だ、私は審判されている。
二人はエレベーターに乗り、月子は、閻魔大王から逃げるように急いで閉のボタンを押した。
束の間の二人の世界。
アダムとイブが会話する。
「修二さんありがとう、また…顔見せてほしいな…」
「あぁ、また来るよ。何かあったら、いつでも言ってこいよ。ストレス満杯の分、今の俺には、力があるからさ」
「修二さん、ありがとう」
修二は帰って行った。
月子は、いつもなら頭を深々と下げるところ、じっと立ったまま、修二の後ろ姿を見ていた。
ちょっとの時間でも、見ていたかった、今度いつ会えるかわからない男の背中……。