あれから……カトレア前の本通り……桜が咲き、散り、また咲いて散り……何回繰り返しただろう。
時は流れた………。
今年も、後少しで満開…今、七部咲き…桜満開舞台に向けて…花がひとつひとつ開花していく。
某刑務所前に一台の車が停まっていた。
眩しい太陽に目を細めながら出て来る修二……運転手も出て来た。
「お疲れ様でした」
「たばこ一本くれや」
「はい!」
後部座席で、煙をゆっくり味わう修二。
数日後…大山宅にて、盃事が行われた。
仲田修二…大山組の若頭となる。
「修二よ、これでお前も一人前よ、若いもん頼んだぞ。お前がちゃんと仕切れや」
「親っさん、有り難く頂戴致します」
その日、修二は幹部達と夜のネオン街へと繰り出した。
月子……そこは月子のいた街。
今頃どうしてる?
まだあの店か?
そんな訳はないよな、いい旦那見つけて、結婚でもしてるか?
俺の正体……あれから世間賑わしただろうよ。
どう思った?ヤクザの俺を?
俺は月子の驚いた顔…想像する。
俺を振った月子さんよ、振った事に対し、あぁ良かった、私の選択は正解だったわ……とでも思ったか……。