カトレアプロダクション女優、月子も、兄の前では…か弱き幼児だった。

「お兄ちゃん…病気の事、話せって言うの?」

「そうだよ…龍子、勇気出せ、このまま終わってもともとだ、本当にお前の事好きなら…今の龍子を受け止めるだろう。兄ちゃんが話そうか? 俺に任すか? 」

「ううん、自分で言ってみるよ…もう一度修二さんに会って、自分で…」

とその時、月子はふらっと目眩に襲われ、その場に横たわってしまった。

「龍子!龍子どうした?大丈夫か?」

「……大丈夫…なんだけど…ちょっと疲れてるみたい…」

さおりも心配した。

「龍ちゃん、この家で暫くゆっくりしたらいいわ、ねっ」

「龍子、そうしろ」

「お兄ちゃん、さおりさんありがとう……」