修二は迷路で右往左往。

親父に泣き付く…そんなこたぁ出来る訳ない。

今更、どんな面下げて、親父に会えと言うのか……。


究極の選択…後残された道は一つだけ…。

稲田組、若頭のたまってか……ばれねぇように上手くやってのけたとしても…殺人…。

俺は一生殺人者。

組から例え、足洗ったところで、人一人殺した事実は消えない。

殺人者で残りの人生、生きていけってか。

月子……墨どころの騒ぎじゃないよな、絶対許してくれないよな……。

ヤクザ毛嫌いする月子さん、俺は…俺は…いったいどうしたらいい?

月子さん、教えてくれよ……。

修二は、意を決して携帯を手にした。

発信先は………仲田総合病院院長。


もう何年も声を聞いていなかった。

車で病院の前は、何度か通った事はある。

別段変わった様子はなし、病院は健在だった。

親父の携帯番号……呼び出し音が聞こえた。

なかなか出ない親父、その時、何てこった……着信拒否かよ。