「お前に投資した金、耳揃えて、今即金で全額返してくれるっちゅぅんか?」
修二は上擦った声で言い返す。
「投資って?上納の金も、ちゃんと納めたし、もう親っさんに借りはない筈です」
「捨て猫のお前、食べさせてきた親はわしや、何年、我、タダ飯食ろたんじゃい!」
大山が怒涛を吐く。
「飯だけやない、着るもんも全部そうや、仲田サービス?誰が、何もわからんガキに、商売なんかやらしてくれるんじゃい?」
まだ、合点のいかない修二は、迷路の出口を探す。
「この事業始めた時は…父親からの金、親っさんに渡した筈です」
修二はキッパリと言い返した…声は小さかったが……。
「我、よう言うたな、今そっちに行かしてる若い衆の今後はどないするねん?」
「皆の希望聞いてから、残りたい奴はそのまま会社に、堅気の俺について来れない奴は、親っさん所に帰って貰おうと思ってます」
「何処まで呆れた奴や、お前とこの若い衆はな、わしの子供ぞ、何で我が支配するねや!何でお前が決めるんや!女にボケてしもうて、気まで狂いよったんか?」
「……親っさん、俺は、俺は…どうしたら堅気に戻れるんですか?教えて下さい…」
修二が泣いた。