修二は話しをする為、大山宅にやって来た。
「何や?改まって話しって?お前顔色悪いぞ」
修二は、いきなり大山の足元に土下座した。
「何や?何かヘタうったんか?」
修二は顔を上げて、大山を見上げる。
「親っさん、親っさんには、今までエライ世話になってきました。この恩は、これからずっと一生忘れる事はありません。 …男、仲田修二、今…この世界から抜けて、堅気になりたいと望んでおります」
黙って聞いていた大山が、いきなり大声で笑い出した。
ハハハハハハハハ
「アホか?お前?何眠たい事言うとんのや?」
???
修二には、大山の笑いの意味がわからない。
「堅気ってか?ハハハッハ、 恩忘れへんってか?忘れとるやないか!」
大山のあまりの想像外の態度に、修二は度肝を抜かれた。
「そんな簡単に足洗えると思とんのか?お前もまだまだ青いのぅ、で…どないケジメつけるつもりや?」
「ケジメって……」
修二は、出口なき迷路に入ってしまった。
入口も…閉ざされたよ。