窮地に追い込まれてるにも拘わらず、修二の心は躍る。

ずっと好きだった…ってか、月子が言ってくれた。

そう思ってくれてたんだ。

これ以上の喜びなんて、この世にあるもんか、俺は、月子に相応しい男に変わらなくては……いけない。

今まで若いもんに任せていたレンタルの営業、修二、自らの足で動き、得意先の獲得に精を出した。

不動産の方も、ありとあらゆる知人の伝手を使い、物件の売買に走り回った。

金融業も、厳しい回収にあくせく動いた。

月子の為に、俺は生まれ変わる。

そぅ、組から抜け、足を洗う。

仲田サービスだけで生きていく。

親っさんにわかって貰おう、ちゃんと話せばわかって貰えるだろう。

墨は…墨の問題だ…どうするか…。

消しに行った所で…多少なりとも薄くなったとして、完全には…ノーマルな肌には戻らない。

月子がどうしても嫌と言うなら…その時は…暗闇以外、月子の前で裸にならないさ、これでどうだ。

月子、待っててくれ……。

好きと言う言葉……修二は、月子に暖かな月光を貰う。


………が…大山が修二を放す? そんな訳はない。