キッチンの冷蔵庫へ向かうと
そこに並ぶミネラル
ウォーターの内の一本を
掴み、それを一気に
流し込んだ。
喉元を過ぎる冷たさで
幾分かさっきの鬱鬱とした
気分は和らいだ。
再びベッドへ戻り眠りに就く。
暫くしてアラームよりも
先に目覚めたエリオットは
いつもの様にシャワーを
浴び、ブルーのサテンの
開襟シャツにジャケットを
羽織ると、無意識に
デジタル時計に目をやった。
[13:13]
再び脳裏にあの男の声が
繰り返される‥
『‥13‥13‥13‥13‥』
偶然の一致だろう‥。
気にはなるが軽く受け流し
彼は少し早いが身支度を
終えると、いつもの様に
部屋を出た。