集会が終わり、銀次郎はリビング
でソファーに座り込んだ。
大きな反動と軋む音と共に
銀次郎のため息が洩れた。

「旦那様、お疲れですね……」
執事のミドリが言った。

彼女の入れたコーヒーを受け
取り、銀次郎は笑った。

想が常に浮き足立っている様で
心配だった。
しかし、縛りつけたい訳では
無かった。

「私には想が分からないんだ。」
銀次郎は言った。

銀次郎の気持ちと想の気持ちが
交差して、上手くいかない。
それを銀次郎も想も分かって
いなかった。