「う…うぅ…」


声を押し殺して泣く私。


ずるいよ空くん…


泣くななんて…


無理…だよ。


『ピーポーピーポー…』


遠くから徐々に聞こえてくる救急車のサイレンの音。


もう…遅いよ。


わかるんだ。


もうだめって…


だってね、指輪温かかったんだ。


空くんが握ってたから…


空くんが私のてを離したときは、まだ温かかったんだよ。


今は…指輪も手も顔も…全部が冷たい…


ねぇ…これからどうすればいいの?私…


置いて…行かないで…


私も…連れて行ってよ…