「…泣くな。」
「空…くん?」
「…届かなくていいから…」
「えっ?」
「大丈夫…大丈夫だから…もう…泣くな。」
そう言って握ってくれた左手。
右手は何かを握っている。
「空くん!」
私が名前を呼んだ途端、空くんが微笑んだ。
それとほぼ同時に繋がれた空くんの左手が地面に落ちた。
目からは一筋涙が落ちる。
…これは終わりを告げてるのかな?
でも…離れたくないよぉ
そのとき、『コロン…』という音が聞こえた。
それはさっきまで空くんが握り締めていたと思われる指輪だった。
指輪を拾って見てみると、内側にしっかりと彫られた文字。
Mina・Sora
〜eternal love〜
美奈・空
〜永遠の愛〜