最後なんて本当は言いたくない。


でも、わかるんだよ。


もう俺は…って。


だから最後に美奈の誤解をときたい。


少しでも、俺という人間がいたってことを覚えていてほしい。


俺は手に握っていた指輪をさらに強く握り締めた。


覚悟はできてる。


「美奈…俺さ、美奈と出逢えたことに、本気で感謝してる。あの日にあの河原に行ったこと、今でも運命だと思ってる。」


美奈は黙って頷いている。


泣きそうな顔するなよ…


笑顔を見せろよ…



あぁ…俺のせいか…



「俺、最近ずっとバイトばっかだっただろ?あれな…手紙にも書いたとおり…ウッ!ハァハァ…」


やばい…かも…


意識がだんだん…





―――――ごめんッ…