「空くん…?」


少し空くんの体を揺らしてみる。


すると空くんはゆっくりと目をあけた。


意識があることがわかり、私はさらに涙を流した。


「ねぇ空くん!私だよ。美奈だよ。」


「…わかってる…ハァ…」


辛そうに喋る空くんを見てはいられなかった。


「ごめん…ね、私…のせ…いで…喋らなくていいからね…安心…してね。空くんのそばに…ずっと…ずっといるから。救急車…呼ぶね。」


「…待って!―――ッ!」


「喋っちゃだめ!血が…」


「俺…はいいから…大丈夫…だから…だから…ちゃんと最後に…きいてほしい…」


「――…っ!きくから!聞くから最後なんて言わないで!周りも見てないでなんとかしてよっ!」


私が怒鳴り散らすと、おじいさんが救急車に電話をかけてくれた。


「美奈…」


「…なに?」


「最後の…俺の言い訳。」