かなめと友達になってから一段と増えた嫌がらせは、莉奈からだけの嫌がらせではなかった。


かなめファンからの嫌がらせだった。

でも幼稚な嫌がらせは、そこまで苦痛じゃなかった。

かなめと友達になってからあたしは少し髪を染めた。


染めた方が威勢でるっしょ

ってかなめが言ったから。

別に何も変わらないけど…
でもやっぱり友達がいる毎日は楽しい。


「紗月。飯いこーぜ」

「え、うっ…うん。」

かなめはやっぱり目立つ。
あたしと友達になってからは、ほぼ毎日のように学校に来てるかなめ。

「ねー、かなめ君なんでそんな子といるの?」

かなめファンの女の子は一斉にかなめにたかる。

そんな事いちいち聞かないでよ…

かなめと友達になってから今日で早一週間。

毎日のようにかなめファンは、そうかなめに聞いてる。

「紗月は親友だから」

かなめがそう言ってくれるのがすごく嬉しくて少しだけにやけてしまうあたしがいた。