見た目はチャラそうで怖くて、でもすごく優しくて涙もろくてそんな九重君を知るのはあたしが初めてだったかな。






「俺が友達になってやるよ」


「同情…?」

「…そうかもな。でもいつかは心から友達になれんじゃねえの?またいじめられたら守ってやんよ。」


同情で良かった
同情でも良かった

久しぶりにできた友達は、チャラそうでギャル男でなのに優しい九重かなめ君。


「…いいの…??」

「今のお前には必要だろ?友達ってやつが。」

なんで分かるんだろう。
なんで初対面なのにこんなに優しくしてくれるんだろう。


「…かなめってよんでい?」

「い~よ!!紗月…だっけ?」


「うんっ…」

自然と涙が溢れた。
誰かの前でこんなに泣けて、誰かにこんな幸せな気持ちもらうなんてすごくすごく久しぶりでなんだかすごくすごく心がくすぐったかった。