夢へ





久しぶりだね。元気にしてた?

あの時は本当に悪かった。

俺は夢のことが好きで好きで

どうしようもなかったぐらいだ。

だから、結婚したくて君にプロポーズをした。

その時、俺は本当に夢が好きだった。

それだけでいい。

信じてほしい。

俺が君から離れなくてはいけなかったことには

理由があるんだ。

夢は俺が教師になりたかったことを

覚えているか?

俺の父親が都内にある高校の

理事長だということも。

俺は君にプロポーズをした日に、

父親から電話があった。

『三ヶ月間、教師をしてみないか?』

という電話が。

俺はもちろん了解の返事をした。

…だが、それには条件がついていたんだ。

『しかし、佐伯 夢との婚約破棄だ。』

俺は驚愕したよ。

父親は夢のことを気に入っていると

思っていたから。

何故だと問い詰めたら、

『お前は時期、理事長になるものだ。

それをこんな若いうちからの

結婚は認められない。

だから、まず三ヶ月間頑張るんだ。

その頑張り次第で、結婚を認めてやる。』

確かに納得してしまった。

でも夢と離れるなんてありえなかった。

…俺は悩んだよ。

今、夢と離れて三ヵ月後に

幸せに暮らすか。