今・・・恋人って・・



男性B「なんだよ男もちかよっ!!とっととうせなっっ!!!」



男性A「ちぇっ!!がっかりだぜっ!!」



男達は文句をいいながら高架下に止まった車に乗りこみ、雨の中を走りさった。




・・・・助かったんだよね??


紗季「あの、ありが・・・えっ??・・」



紗季はすぐにお礼を言おうとしたが、あろうことか男性は紗季の肩を抱いたまま出口に向かって歩きだした。



紗季「あ、あの!?ちょっ!!・・」



黒髪の男性「黙って。一緒に歩いてください」



紗季「そんな!!いきなり言われても・・」



黒髪の男性「つけられてるんです。少しの間でいいんです」



つけられてる!?もしかして、この人・・・危ない人なんじゃ・・



恐くなり断わりたかったが、すでに歩ききだしていたため、仕方なく紗季は頷いた。



黒髪の男性「ありがとうございます」



高架下をぬけ、折り畳み傘をさす。


傘は小さめの作りのため、肩を抱かれてぴったりと寄り添う形になった。


男の人とこんな寄り添って歩くのって、初めて・・・・


歩きながら男性の横顔を見る。
藍色に近い瞳に男性にしては白い肌、形のいい鼻に唇から、かなりの美形であることが判明した。



さっきは気付かなかったけど、この人・・すごくかっこいい・・それになんだか、いい香りがする・・・・これなんだろう・・花の香りみたい・・


しばらく歩くと男性がいきなり、路地に入り紗季を抱き締め壁に隠れるように寄り掛かった。



紗季「きっ!!?」



声をあげようとしたが男性の手によって拒まれる。



黒髪の男性「声をあげてはいけませんよ」