確実に来る。


確信すると歩みが無意識のうちに早くなり、短いはずの出口が遠くに感じられる。




そして、紗季が男たちの前を通り過ぎるようとした時だった。



男性A「よう!!お姉さんさぁ、いま帰りぃ??」



・・・来た・・目合わせちゃだめ・・・



傘で顔を隠しながら無言で通り過ぎるようとすると、今度は肩を掴まれ強引に引き寄せられる。



紗季「きゃっっ!!・・ちょっと!!なんなんですかっ!?離して下さいっ!!」



男性B「いいじゃん♪どうせあんたも暇なんでしょ??だったら俺らと楽しいことしようや」



振りほどこうともがくが、がっちり肩を抱かれ逃げられない。



紗季「いやっ!!私いかない!!」



男性C「おい、車とってこいよ」



一人がそう言うともう一人が入口に向かって歩きだす。



男B「さぁ、いこうねぇ♪♪」



紗季「やだぁ!!・・誰かっ!!」


紗季の肩を抱いている男が無理やり歩きだしたその瞬間――――



???「こんな所にいたのですね??探しましたよ」



紗季「・・・!?」




いつの間にかに黒髪の男性が紗季の横にさわやかな笑顔で立っていた。



男性B「誰だテメー!?どっから来やがった!!」



黒髪の男性「おや、僕は彼女の恋人ですが??あなた方が彼女を見つけてくださったのですか??」



黒髪の男性は尋ねながら、肩を抱いた腕を外し自分の方に引きよせ紗季の肩をだいた。