要「私、面白いこと言ったかしら??」
紗季「えっ?・・・そんなことないよ!!」
腕組みをして怪しむ要に必死に誤魔化す。
要「そう・・ならいいけど」
紗季「う、うん。それよりも、今日は迎えに来てないの??」
要「あっ!そうだった!!紗季、今何時!?」
紗季「えっと・・・今、5時半かな」
腕時計を見るとちょうど針が下半分の位置を射したばかりだった。
要「5時半!?10分もすぎてるっ!!ちょっと、私もう行くから!!」
紗季「うん。傘、ありがとう」
要「どういたしまして。じゃあ、気をつけて帰るのよ」
要は身をひるがえして、教室を出ていった。
紗季「いっちゃった・・・」
要には大学生の2才年上の彼がいて、たまに車で迎えにきているのだ。
かなちゃん、少しうらやましいな・・・私にもいつかそんな人が出来るのかな??だったらどんな人なんんだろう・・・
想像しようとしたができるわけもなく。
強まる雨脚に気付き、帰ることにした。
紗季のアパートは大学の側で駅にも近く、高架下を抜けてすぐの所だ。
いつもは人気のあまりない高架下だが、今日は雨が降っているせいなのか3、4人、なぜか立ち話をしている。
そして、そのうちの一人が紗季の方をちらりと見た。
・・・いやだな・・今日に限って・・・
紗季には一目みて、いくつかわかったことがあった。
一つは全員、男であること。そして、もう一つは紗季が視界に入った時から全員で何か合図を送りあっていること・・・
高架下に入ると男達はわざと声をだし、ふざけあう。