紗季「!?・・」



振り向くとそこには、パーマのかかったショートヘアーにガーリーな洋服がよく似合う女性がいた。



紗季「かなちゃん!!?」



要「ちょっ、驚きすぎっ」


東雲 要(19)は紗季の同級生で親友。
可愛いいのにしっかり者で人気があるが、名前にコンプレックスがあるため、あだ名でしか呼ばせない。



紗季「ご、ごめん・・」


要「まぁ、いいわ。それより紗季、傘忘れたんでしょ??」



紗季「えっ!?・・なんでそれを・・」



要「あのねぇ、何年あんたの親友やってると思ってるの・・というか、やっぱり・・・」



紗季「えへへ・・・」



要「笑う所じゃないっ!!」



紗季「ご、ごめんなさいっ」



要「まったく、しょうがないだから・・・はい。これ」



要は呆れながら鞄から短いオレンジの棒のを取り出し、手渡した。



紗季「これ、折り畳み傘!?・・・いいの??」


要「いいもなにも、紗季のために用意したのよ」


紗季「・・・かなちゃん!!」


紗季は嬉しくなって要に飛び付く。



要「わゎっ!! こら離れろっ!!!」



要は紗季をひきはがし、顔をしかめた。



要「調子に乗りすぎっ!!」



紗季「ごめん・・だけど嬉しくて・・・つい・」


要「本当、世話がやけるんだから」



しょげている紗季に対して要は優しくほほ笑んでみせる。



そういえば、かなちゃんはいつも助けられてるよね・・・・ピンチの時のヒーローみたいに・・・・


思わず想像して、口元がゆるむ。