けれど。

「ごめんなさい。射空。返事は、また今度――入学式まで、待ってくれませんか? お願いします」

オレの手から、するりと抜け出す、南。

「関目さん。帰りましょう」

関目の財布から出てくる、万札。

……なんだよ。