僕は、まどか様から、ゆっくりと視線をはずしていました。

男なら、誰だって、泣き顔のような表情を、他人に見られたくはないものですから。

僕だって、そんなのはごめんです。

足元をみつめていると、

「南」

まどか様の腕が、僕を抱き寄せるのでした。

ぐん、と、強く。