「まどか。一度試着して、儂(わし)にみせてみい。ほれ、そこで」

親父さんの言葉に舌打ちしながらも、まどか様は、着ている詰め襟を、無造作に畳に落としていきます。

親父さんに逆らえないのは、まどか様も、皆と変わらないようで。

それが苛立つ原因なのは知っていますが。

僕が、まどか様の脱ぎ散らかした制服を拾い集めて、丁寧に畳んでいると、ズボンを脱ぎかけていたまどか様が、不意に、意地の悪い表情になりまして。

「南。お前も着替えて見せろ」

にやりと笑う、まどか様。

僕にできないとでも、断るとでも、思っているのでしょうか?