舌打ちをしたいところをこらえて、ハンドルを握りなおす。

我が儘なガキの面倒を見るなど、正直、ごめんなんだがな。

南だけなら可愛いんだが、そういうわけにもいかない。

まあいい。

このままトバせば、十分もかからず、目的地の高殿家に着くはずだ。

それまで、我慢すればいい――。