春休みの間中、ほとんど毎夜のように体を重ねた相手。

なのに、こうしていると、小さな頃と代わりのないまどか様の姿がそこにあって、少し戸惑います。

「まどか様、少しだけ、歩きませんか? 外は、桜が綺麗ですよ」

なんとなく窓の外に目をやると、桜の花びらが風に流れてくるのが見えて、僕は、まどか様に、そう声をかけていた。