♯MADOKA

勝ち目がないのは、俺の方だ。

射空の自嘲気味な声に、自己嫌悪が募る。

南は、ただ俺に従っているだけ。

それは、恋とか、愛とか、そんな感情とは一番遠い位置で。

俺は、そんなことにも気づかないで、というよりも、自分の気持ちに気づくのが怖くて、南と体を繋ぐだけで、触れあっている気になっていた。