「一限は引き続きHRだってさ。楽で良いよねぇ」
「へぇー。珍しい」


入学した当初は一週間くらい続いた長いHRも、一年経てば朝の出席を取る時間になる。


「チャイム鳴ったぞ」


担任の声が聞こえたと同時に、席を立っていた生徒は慌てて着席。


「明日から校舎の一部を補修するために、使えなくなる」


生徒の声がいきなり大きくなる。


「授業は、休みなん?」
「バカ。大学を使う」


私の思考は停止した。


大学?


どこの?


前を向いていた桃子が振り返り、興奮気味に私の肩を何度も叩いた。



嘘でしょ?
一年も先だと思ってた、先輩と同じ場所に立てる

これ、何?

奇跡?