「おはよ。大丈夫?」

意気消沈している私を驚かすことなく、話しかけたのは桃子。


「気にせんといて」
「上野。目覚まし体操するか?」


私より早く意味を理解した桃子が、藤原の足を力一杯踏んづける。


「朝からセクハラ禁止」
「ってーな!」


2人のやり取りを見て次第に落ち着き、体も軽くなってきた。


「さて。行くか」


私は勇気を振り絞って、大学へ足を踏み入れる。


「どこに集合やっけ?」
「体育館。正門突っ切って右側の」
「じゃあ、藤原は無視して行こう!」