気が付くと、空はオレンジになっていた。
あたし……すごい寝ちゃったんだ。
ボーっとしながらふと自分の膝を見つめると、そこには大きなブレザーがかけてあった。
これ……。
ブレザーに触れていると、上から声が降ってきた。
「……起きたか?」
その声に上を見上げると、尚が優しく微笑みながらあたしを見下ろしていた。
尚のYシャツ姿を見てあたしがかぶっていたブレザーが尚のものである事が分かった。
「ごめん……起こしてくれてよかったのに」
そう言ってあたしはブレザーを返した。
すると尚はダルそうにブレザーを受け取りながら答える。
「俺もさっき起きたばっかだ」
そっと尚のYシャツに触れて、あたしは眉を下げた。
嘘だ……。
さっき起きたなんて嘘でしょ?
だって……こんなにYシャツが冷たくなってる。
バレバレな嘘をついている尚を見上げてまた視線を落とすと、あたしはキュッと尚のYシャツの袖を掴んだ。
「……ありがとね」