「おれ本気で美麗狙うんで」
は?
「ちょっ!佑騎!」
あたしは慌てて佑騎の口を手で塞いだ。
佑騎がそう言っている間に尚と成月も出てきて3人が佑騎の言葉に動きを止めた。
こいつ何考えてるの!?
そう思っていると、無表情の渡里君が口を開く。
「へぇ……いい度胸してんね」
って渡里君の顔が怖い!
「おれ負けないんで」
「ふうん……覚悟できてんだ」
2人の間に火花が見えた。
これはヤバイッ!
2人の間に入ろうとあたしは足を進めた。
「2人とも!教室の前だし、ほら!佑騎も自分のクラスに戻りな?」
そう言ってあたしは佑騎の背中を押した。
「美麗が言うなら……」
そう言って後ろ髪引かれたように佑騎は去って行く。
「じゃぁな。美麗♪」