「ありがとうございます!んじゃ美麗!行こうぜ」
そう言って佑騎はあたしの腕を掴んでズカズカと歩き出した。
「っちょ!どこに行くのよ?」
あたしはそう言って佑騎の顔を見る。
「借り物は黙ってろ!」
って……あたしは物じゃないっつうの!
怒りが収まらないでいると、佑騎は中庭の噴水の前で止まった。
「とりあえずここ座れよ」
噴水に腰掛けた佑騎は隣をポンポンと手で叩いてそう言った。
あたしは黙ってその指された場所に腰掛けた。
「佑騎女嫌いなのにどうしたのぉ?」
そう聞いてみると、佑騎は怒った表情であたしのおでこを指で弾いた。
「痛゛!」
おでこの痛みに涙目になっていると、佑騎はそんなあたしを見て大笑いしている。
「大袈裟だなぁ」
「大袈裟なんかじゃないよ!ホントに痛いんだから!」
そう言ってあたしは佑騎を睨んだ。